もし、学校でいじめにあったわが子を守るためには…
そして親は子どものために何ができるのでしょうか?
また、身近な所でいじめを知ったとき、周囲の大人はどう対応すればいいのでしょうか?
いじめは、大人が見逃したり、見て見ぬふりをしていると、子ども達は黙認されたと思い、
エスカレートしていく傾向にあります。
最初はささいな小さな事でも、あっという間に、手がつけられなくなるほど大きくなってしまいます。
いじめが日常的に繰り返され、どんどんエスカレートしてけば、被害者は、顔を合わせる度に「また、今日も同じこと(いじめ)をされるのでは」という恐怖心が生まれます。
そして、学校へ行くことが極度のストレスになり、精神的にも不安定になってしまう可能性があります。
また、いつ終わるかわからない日常的ないじめから逃れるのは、とても困難なことで、夢も希望もなくなってしまいます。
そうなってくると、最悪の事態を招く可能性もあります。
いじめられてもよいと生まれて来た子は一人もいません。
いじめてもよいと生まれて来た子も一人もいません。
いじめられているときは何らかのサインが必ずあります。
他人事ではなく、いじめはいつでもどこでも起こりうるということを常に意識していなくてはならないと思います。
もし、自分の子がいじめにあっていると知ると、動揺してしまうかもしれません。
でもまずは親自身が落ち着いて、じっくりと話を聞くことが大切です。
「何があったの?」と質問攻めにせずに、子どもの心に寄り添って話を聞きましょう。
まずはそこからはじめてみましょう。
今の時代、無理して学校に行かせる必要もないかもしれません。
学校によっては「心の教室」(呼び名は学校によって違いがあるかもしれません)みたいに他の生徒と切り離して授業が受けられることもできます。
あなたは決して一人じゃなく、味方がいるんだということを気づかしてあげるのも大切ではないでしょうか?
あの有名な斎藤ひとりさんは、「もし、自分の子どもがいじめにあったら、いっしょに学校についていっしょに授業をうけてください」と言っていました。
1週間でも2週間でも・・・
そして、その行動は私は(親)あなた(子)の味方です!という強烈なメッセージを発することになります。
そしたら、いじめをしなくなるとも言っています。
ほんと、そうかもしれません。
でも、みんながみんな、そんなことはできないかもしれません。
いじめ解決には、まず気づき、そして行動することが大切です。
そして、ひとりじゃない。味方がいることに気づいてもらえればだいぶ違うのではないでしょうか・・・
ほとんどの子どもたちは楽しそうに学校に出かけていったと思うのですが、中には憂鬱な子もいます。
いじめにあっている子どもたちです。
いじめは、なくなっていません。
いじめは、見えないところでも起こっています。
一人ひとりが、他人事ではなく、自分のこととして捉えられるよう
常日頃から人権学習する必要があるなか、多くの学校や地域社会で活用されている映像を紹介します。
学校・地域・家庭で考え、いじめを無くしていく!
●「ひとみ輝くとき」 30分
毎日ひっきりなしに送られてくる誹謗中傷や現金を要求するメールに悩む中学生。
次第に追い詰められ不登校に陥り、死を意識して郊外の展望台に立ったところを老夫婦に声をかけられ事なきをえる。
いじめの責任は加害者だけにあるのか?
学校・家庭・地域が一体となってこの問題に取り組み、クラス全員で話し合い、ほとんどの生徒達が仲裁者ではなく、傍観者や観衆であることに気づいていく。
最近のいじめは、携帯電話やインターネットを悪用し、表にでにくい陰湿ないじめです。
子ども達がこの映像を見て「いじめの構造」を知り、自分がどの立場にいるのかを理解し、
いじめは命にかかわる重要な問題であることを理解します。
《いじめの構造》
・被害者:いじめられている
・加害者:いじめている
・観衆:周りではやしたてる。喜んでいる。
・傍観者:見てみぬふりをする。
・仲裁者:やめさせようとしている
子ども達がこの映画を見て、「いじめは命に係る重要な問題で、人として絶対に許されないこと」に気づいてくれています。
ある中学校での映画鑑賞後のアンケートによると、約7割の生徒さんが自分は傍観者であることに気づいたと答えています。
アンケート内容はこちら
アンケートを見ると子どもたちの心の変化が読み取れます。
映像は最も効果的な教材です。
みなさんの地域や学校での活用をご検討ください。
いじめ問題啓発映画 「ひとみ輝くとき」はこちらをクリック
特にLineなど、インスタント・メッセージは利
便性がある一方、短文のため
軽はずみで自分の感情がストレートに出てしまうことがあります。
例えば
•「死ね」「クズ」などと書かれた過去の喧嘩の文が残っている際の読み返し
•グループ内で集団いじめや仲間はずれにする
•既読なのに返信してこない などにより、喧嘩やトラブルに発展することがある。
特に代表的なLINE(ライン)は「新手のいじめツール」としての危険性を持ち合わせており、
悪用したり、様々な事件が多発しています。
●いじめなど、LINEを使っての事件例をまとめてみました。
(中高生に多い事例です)
・LINEのグループ内で仲間はずれにする。
・突然無視される
・グループから勝手に退会させられ、悪口を言いあう。
・LINEを使って恐喝する。
・同じく、LINEを使って脅迫する
・写真、動画を勝手に掲載する。
(いじめている写真など、本人が嫌がる写真をタイムラインに掲載する)
・個人情報を勝手に流す
・犯罪への誘いなど、仲間集めをLINE上で行う。
また、
今の学生間ではLINE疲れという言葉もでています。
LINEの機能上、メッセージを既読したことが相手にわかってしまうことで
すぐに返事を書かなくてはならなくなってしまうことから中々やめられず、
何時間もLINEに縛られなければならなくなっています。
先生や親の監視が行き届かないLINE上でのトラブルは日に日に増えています。
まして殺人事件のキッカケにもなっています。
いじめ問題をはじめとする人権問題は決して他人事ではないことを、まずみんなが自覚するべきだと思います。
改めて、いじめ問題は、社会全体で考え、取り組むべき重要な問題です。
いじめ問題啓発映画 ひとみ輝くとき
いじめ防止対策推進法案が21日、参院本会議で可決成立しました。
いじめ対策が法制化されるのは初めてだそうです。
条文では、いじめを「一定の人的関係にある他の子による心理的・物理的な影響を与える行為」とし、さらに「対象の子が心身の苦痛を感じているもの」と定義した。
所謂、見た目でいじめと判断せず、被害者がどう感じているかによっていじめかいじめで無いかを判断するということです。
小中学校や高校などは、複数の教職員やスクールカウンセラーらによる組織を置き、
いじめ対策などを検討することが定められ、校内での相談窓口の設置やいじめに関する定期調査、道徳教育の充実なども、もりこまれているようです。
学校は、いじめがあった場合、速やかな事実確認をし、被害者への支援を行う。
そして、加害者への指導・助言などを実施する。
犯罪のような行為は、すみやかに警察への通報義務も定めています。
しかし、これは学校の責任が重くなりすぎると指摘されています。
確かに学校だけに責任はありません。
いじめ対策は、個々の教師や生徒・児童だけの問題ではなく、社会全体でバックアップすべきものです。
この法案がいじめをなくすきっかけになることを切に望みます。
人には違いがある。
その違いを認めないで排除、のけものにしていくことが差別である。
「違い」には、見た目にわかる「自然の違い」と、
歴史的に、社会的に、文化的に、政治的に、人間によって「つくられた異質性」による「違い」があります。
つくられた異質性の違いによって人格まで優劣のレッテルを貼ることが差別や偏見と言われるものです。
例えば、女性差別は生物的違いによるものではなく、
家事や育児は女がするもの、
職場でお茶くみも女の役目といった固定観念、
いわば文化的、社会的につくられた異質性(ジェンダー)による差別です。
いじめの問題もつくられた異質性による差別と言えます。
現実に起こっているいじめの事例を見ると、いじめの理由は何でもよく、
例えば方言や服装などの違いを見つけては、排除、のけ者の対象として差別しています。
このように、いじめ問題をはじめとした様々な人権問題を解決していくためには、
お互いが違いを認め、お互いの良いところを認め合うような仲間であれば、いじめや差別も減ると思います。
※これは、「文部科学省 第二次とりまとめ の第Ⅰ章の2.人権教育の目標について」にも述べられています。